自然溢れるニュージーランドのオークランド空港に着くと雨だった。その雨も次第に強くなり、台風のようにさえ感じられた。あとから知ったのだが、クラス2のハリケーンがやって来ていて、海外でも報道されていたほどのようだった。だが、PENTAXの防塵防滴は折り紙付き。さすがにレンズの前玉が濡れるのは困るが、SPコーティングのおかげでサッと拭き取れる。雨のことは気にせず撮影はスタートした。

 手にしてうれしかったのは、初代K-1と操作系がまったく同じであること。手に馴染んだK-1そのままに使えるので、いきなりカメラを渡されても戸惑うことなく撮影できた。ある意味新鮮みにはかけるが、手に馴染んだカメラがより進化していて心強い。

K-1 Mark IIはフルサイズならではの高画質にさらに磨きをかけている。低感度での高解像力はそのままに、高感度ではより幅広く実用域が広がった。従来のK-1と比べても高感度域では2段ほどアドバンテージが広がっていて、手軽に高感度が使えるように進化している。ISO12800でも十分大伸ばしできる実力だ。薄暗い森のなかで小鳥を撮影したり、ワイトモの洞窟でツチボタルを撮影したときには大いに活躍した。

 また独自のリアル・レゾリューション・システム(RRS)は手持ちでの撮影も可能になり、より高い解像感を得られるようになった。被写体が動かないことが前提になるが、条件が揃えば1クラス以上の解像感を得られるRRSは肉眼を越えた再現性を持ち、写真の表現力をいっそう高めてくれるシステム。キットレンズのHD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WRでも目を見張るような解像力が得られる。

 この約3640万画素CMOSセンサーが生み出す写真は、撮影時に見ていたもの以上を写し出してくれる。あらためて作品を見ることで、マオリの木彫に施された緻密さ、カツオドリの繊細な模様など肉眼で感じていたもの以上が見えてきてあらたな感動を覚える。フェアリー・フォールでは葉の下に隠れている妖精までみつけられるような気がしてくる。

PENTAX K-1 Mark IIのコンパクトなボディがもつ機動性と高い描写性は、撮影者の意図をより高みへ昇華させてくれるものだと信じている。

PROFILE
小林 義明氏(こばやし よしあき)
1969年東京生まれ。
東京写真専門学校(現・ビジュアルアーツ東京)卒業後フリー。
ちいさな自然から広大な風景、野生動物など幅広く自然の優しさを捉えた作品を発表。現在、北海道・道東に住み「いのちの景色」、「光の色・風の色」をテーマに撮影を続ける。メカにも精通し、カメラの使いこなし方のアドバイスなども行っている。
写真展「東京ネイチャースナップ」シリーズや「光の色・風の色2」など多数開催。PENTAX製品のカタログやカレンダーにも作品を提供。